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2019.06.28更新 / 790views

インプラントをした歯茎に現れる異変は歯医者さんに相談

インプラント治療を受けた後、注意しなければならないのが、歯茎の状態。

腫れがみられる場合や出血が現れる場合は、インプラント周囲炎などの問題が起きている可能性があります。

ここでは、インプラント治療時に起こる歯茎のトラブル事例とおすすめの治療法をご紹介します。

第1章 歯茎が下がる

インプラントで歯茎が下がることがある

インプラントは人工歯根であるため、虫歯などの歯の病気には強いというイメージがあります。

しかし、実際はそうではなく、インプラントの歯は天然歯に比べて、歯の病への抵抗力が低いとされているのです。

インプラントは、天然歯のように虫歯菌によって溶かされることはありません。しかし、インプラントを埋めた周囲の骨が溶かされたり、歯茎が下がったりすることはあります。口腔内のケアを放置すると、埋めこんだインプラントが見えてきてしまい、最終的にはインプラントが抜けてしまうこともあります。

特に前歯のインプラントで、こうした歯茎が下がるなどのトラブルが起こりやすいとされています。前歯のインプラントをおこなった人は日ごろの口腔内のケアをしっかりおこないましょう。

歯茎が下がる原因

インプラントをおこなった後に歯茎が下がる主な理由は、「インプラント周囲炎」。インプラントをおこなった歯茎の周囲で炎症が起きることでダメージが与えられ、徐々に歯茎が下がってしまいます。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とは、簡単にいえばインプラントで起きる歯周病のようなものです。天然の歯であれば、歯の周辺組織に血液がゆきわたっています。そのため、天然歯の周辺組織は血液を通して栄養を得ているため、歯周病などへの抵抗力も高いです。

しかし、インプラントをすると歯の周辺組織へ血液がゆきわたりにくくなり、歯周病への抵抗力が低くなります。その結果、周辺組織に炎症が起こりやすくなります。

初期の場合、インプラント周囲の粘膜が炎症を起こす「インプラント周囲粘膜炎」が起きます。これを放置すると、歯肉やインプラントを支える顎の骨にまで影響が広がる「インプラント周囲炎」の症状がでてきます。放置するとインプラントの失敗を招く原因となるため、注意が必要です。

インプラント周囲炎への対処法

【自分で歯の状態をチェックする】

インプラント周囲炎は、初期の状態ではまったく自覚症状は現れないのが特徴。そのため、気づいたころには歯茎がひどく炎症し、痛みや出血、膿(うみ)が出るような重度の状態になっていることも珍しくありません。

しかし、毎日インプラントをしている歯の状態をチェックすることで、比較的早くインプラントの異常を察知することができます。歯茎の炎症や歯周ポケットに早い段階で気づくことで、インプラントが抜けてしまう事態を避けることができるでしょう。

【毎日正しく歯磨きをおこなう】

インプラントをした歯は、毎日欠かさずていねいに歯磨きをしなければなりません。きちんと歯磨きをすることで、インプラント周囲炎の原因であるプラークや食べカスをきれいに取り除くことができます。

インプラントの手入れ方法は、日ごろの歯磨きと同じようにおこないます。ただし、歯磨き方法や、使っている歯ブラシに問題があると、インプラント周囲炎のリスクが高くなるため注意しましょう。

歯磨きをする場合、磨き残しがないよう、一本一本ていねいに磨くことが重要です。特にプラークは歯の根元に付着しやすいため、歯茎付近を意識しながら歯磨きをしましょう。

・おすすめの歯ブラシ

使っている歯ブラシは毛先が柔らかいものがおすすめです。動物の毛を使った歯ブラシもありますが、市販されているナイロン製のほうが乾きやすく、衛生的であるため、動物の毛を使ったものは避けましょう。

毛束が横に3~4列あり、縦幅が上の前歯2本分(歯ブラシを真横に持って、上の前歯2本と縦幅がぴったりなもの)の歯ブラシがおすすめです。

・おすすめの歯磨き粉

タバコのヤニやステイン除去をする歯磨き粉や、「粒子で歯垢を除去する」という名目の歯磨き粉は、粒子の粗い研磨剤が含まれているため選ぶのは避けましょう。粗い粒子が、インプラントと歯茎の間に入り込み、インプラント周囲炎のリスクを高める恐れがあります。

おすすめの歯磨き粉は、こうした荒い研磨剤が含まれていない薬用歯磨き粉です。歯磨き1回に使う量は、ヘッドの1/3くらいを意識して、ブラシ内部に押し込むように歯磨き粉を出しましょう。また、液体歯磨きの併用もインプラント周囲炎を防ぐためには有効です。

・歯磨きの方法

磨き残しがないよう、歯磨きをおこなうのが基本です。そして、歯磨きの力加減には特に注意しなければいけません。プラークをしっかり落とそうと、歯ブラシをグーで握って強い力で歯磨きをする人もいますが、こうしたやりかたはプラークを落とせないばかりか、歯茎にダメージを与えてしまうため問題です。

プラークを落とすには、歯ブラシの毛先を歯にあてて、細かく動かす方法がよく落ちます。えんぴつを持つように、中指・人さし指・親指の三本だけで歯ブラシを持ち、ブラシの毛先でこすることを意識しながら、さまざまな角度をつけて優しく歯磨きをすると良いでしょう。

【定期的に歯医者さんにチェックしてもらう】

インプラント周囲炎を防ぐために特に重要な方法は、定期的に歯医者さんにみてもらうことです。

歯医者さんなら、自覚症状のない初期のインプラント周囲炎を発見し、しっかりと対処してくれます。また、日ごろの歯磨きで落としきれなかったプラークや、歯石の除去などのクリーニングもおこなってくれるため、定期的にみてもらうことでインプラント周囲炎を未然に防ぐことができるでしょう。

歯茎が下がったときの治療法

インプラント周囲炎などによって歯茎が下がった場合、歯医者さんはプラークや歯石のクリーニングをおこないながら、周囲炎の治療をおこないます。

しかし、炎症の治療を終えたとしても、歯茎がもと通りに戻ることは難しいです。そこで、歯医者さんではインプラントが抜けてしまうことを防ぐため、下がった歯茎を再生させる治療をおこないます。

■治療法1:結合組織移植術

結合組織移植術(けつごうそしきいしょくじゅつ)とは、口腔の上壁にあたる口蓋(こうがい)の組織を、下がった歯茎へ移植する方法です。「CTG」とも呼ばれています。

手術が難しいものの、費用が比較的安価です。また、歯茎に定着するまで2ヵ月~3ヵ月と、ほかの歯茎再生手術より定着が早いのがメリットです。

この手術ができる歯医者さんは限られているため、手術を受けたい場合は経験のある歯医者さんを探しましょう。

■治療法2:遊離歯肉移植術

遊離歯肉移植術(ゆうりしにくいしょくじゅつ)とは、上顎の奥歯内側の組織を、下がった歯茎へ移植する方法です。別名、「FGG」とも呼ばれています。

手術後に腫れや痛みが続くことや、歯茎の色に違和感があるなどの問題はありますが、抜歯後は2ヵ月~3ヶ月で定着するなど、結合組織移植術と同じく定着が早いのがメリットです。

■治療法3:エムドゲイン

エムドゲインとは、歯茎を切開し、歯槽骨(しそうこつ)に豚由来のタンパク質を塗る方法です。インプラント周囲炎によって溶かされた歯根膜や歯周組織を再生させることができます。

治療を受けるには、さまざまな条件をクリアしなければなりませんが、骨の再生が早い治療法です。

第2章 歯茎が腫れる

歯茎の腫れや出血がおこることがある

インプラント手術後のトラブルとしてあげられるのが、歯茎の腫れや出血などの症状です。

手術後は一時的に腫れることがありますが、手術後しばらくしてから腫れた場合や、腫れが続いて治まらない場合は、すみやかに歯医者さんにみてもらいましょう。
特に、出血や膿が出た場合は要注意です。早めに対処をしないと、インプラントが抜けてしまう可能性もあります。

歯茎が腫れる原因

■原因1:術後の一時的なもの

インプラント手術は歯茎の組織や骨に大きな負担を与えてしまうため、術後に腫れや痛みが現れる人は多くいます。

術後の腫れや痛みが治まるまでは2~3日で、骨や人工骨の移植をした場合は2~5日、多くの本数を手術したり、抜歯をおこなったりした場合は7~10日ほどかかるのです。

インプラント手術後は、痛みや腫れを抑える薬を処方してくれるため、毎日服用することで早く痛みや腫れが改善されます。もし、2週間以上痛みや腫れが続き、改善の兆しが見られない場合は、歯医者さんで診療しましょう。

■原因2:インプラントが顎の骨に結合していない

「骨に結合していない」という状態は、単に骨に埋めこまれていないことを指したものではありません。体がインプラントを異物として認識し、適合していないことを意味します。

インプラントの拒絶反応が起きると、体の免疫が周辺組織を攻撃してしまい、ダメージによって歯茎が腫れてしまいます。インプラントに使われるチタンは、骨との結合率が非常に高いものの、人によってはまれにこうした拒絶反応が起きることがあります。放置すると痛みや腫れが悪化し、最悪インプラントが抜けてしまうこともあります。そのため、術後の腫れや痛みが治まらない場合、すぐに歯医者さんにみてもらいましょう。

■原因3:歯科医師の技術不足

歯医者さんが器具の使いかたを間違えたり骨や周辺組織への負担を考慮せず治療をしたりした場合、歯茎が腫れてしまうことがあります。

インプラントは難しい治療法であるため、歯医者さんの経験や技術が不足していると、こうした問題が起こる可能性があります。歯医者さんとしての経歴ではなく、インプラント治療をおこなってきた経験をあらかじめ調べることで、こうしたリスクは回避できるでしょう。

■原因4:細菌感染

インプラント手術をする場合、歯医者さんは雑菌への対処を徹底しておこないます。器具の滅菌をしっかりおこない、手術用無菌室で手術をおこなうのです。

そのため、インプラントで細菌感染が起きることはほぼありえませんが、なんらかのトラブルにより、まれに雑菌が入り込んでしまうことがあるのです。

細菌感染を避けるためには、院内の衛生管理がしっかりしているかを調べる必要があります。評判をネットで調べたり、細菌感染の予防策について電話で尋ねたりして対策しましょう。

また、患者さんの口の中に多くの歯周病菌がある場合、別の歯の炎症が移った場合なども、この細菌感染のリスクが高くなります。インプラントをおこなう場合、前もって歯周病の治療をおこなうと同時に、日ごろの口腔内ケアを徹底することが重要となります。

■原因5:インプラント周囲炎

歯磨きなどのケアをしっかりおこなわなかった人や、別の歯が歯周病になってしまった人の場合、このインプラント周囲炎が起きる可能性があります。

インプラント周囲炎は、通常の歯周病と同じく痛みや腫れ、出血といった症状が現れます。インプラントの手術後、時間がたってから腫れが現れた場合、このインプラント周囲炎が疑われます。腫れが見つかった場合はすぐに歯医者さんにみてもらいましょう。

歯茎が腫れたときの治療法

■治療法1:歯石やプラークを洗浄し消毒をする

歯の根元にある歯石やプラークは、歯茎の腫れの原因となる虫歯菌や歯周病菌の温床です。歯石やプラークを取り除くことで、歯茎を炎症させる原因菌を除去し、腫れを改善させることができます。

■治療法2:炎症部分を切除する

腫れて大きくなった歯茎や、エプーリス(歯茎のポリープ)がある場合、切除をおこなう場合があります。

しかし、この方法では歯茎の炎症自体を治すことはできません。歯茎は腫れると歯周ポケットが深くなり、症状が悪化することがあります。そのため、不要な歯肉を除去して炎症を治しやすくする目的で、歯肉の切除をおこなうのです。

歯周ポケット深くまでプラークや歯石が入り込んだ場合、歯肉を切開して除去する「フラップ手術」が必要となりますが、基本的に歯茎の炎症は歯石やプラークの除去で治まります。

■治療法3:化膿止めの服用

化膿止め(抗生剤)の服用により、菌による歯茎の炎症を抑えることができます。

化膿止めは、細菌の増殖を抑える作用があります。歯茎の炎症が進行することを抑え、患者さん自身の免疫力によって、炎症の原因となる菌をやっつけることができるのです。
ただし、この化膿止めは菌自体を殺菌することはできません。炎症を引き起こす原因であるプラークや歯石の除去など、患部を洗浄して菌自体を殺菌するなどの治療もおこなう必要があります。

第3章 インプラントのネジが歯茎から露出する

ネジが歯茎から露出する

インプラント治療の失敗例として多くあるのが、ネジが歯茎から露出するといった症状です。

見た目が悪くなることはもちろん、顎の骨に固定されていないため、食べ物をかむこともできなくなります。そのため、歯茎から露出した場合はすぐに治療を受ける必要があります。

一度ネジが歯茎から露出すると、その後の処置も難しくなるので、リスクを避けるためには慎重に歯医者さんを選びましょう。

ネジが露出する原因

■原因1:顎の骨が薄いのにインプラントをおこなった

インプラントをおこなう場合、重要となるのが顎の骨の厚さです。

顎の骨が薄いと、インプラントの人工歯根を十分に埋め込むことができず、顎の骨の吸収とともにネジが露出してくることがあります。

顎の骨は、年齢によって骨吸収の影響で薄くなります。特にインプラントをおこなった場合、歯槽骨を保つ歯根膜がないことで、骨吸収のスピードが早くなります。そのため、顎の骨が薄い状態でインプラントをするとネジが露出しやすくなるのです。

現在では骨移植や骨再生治療により、顎の骨が薄い人でもインプラント治療が受けられます。ですが、いい加減な治療をする歯医者さんの場合、こうした骨再生治療をおこなわない、ネジが露出してしまうなどのトラブルに見舞われてしまいます。

■原因2:手術の際の不手際

インプラントを埋め込む位置を間違える、ドリルの熱で骨にダメージを与える、骨再生が十分でないなど、歯医者さんの手術中の不手際でネジが露出してしまうことがあります。

インプラントは歯医者さんにとって利益率の高い手術です。クリニックの経営のため、技術や経験が不足しているにもかかわらず、インプラント手術をおこなおうとする歯医者さんが後を絶ちません。ホームページではインプラントの施術が可能だと書いていて、実際にはインプラント手術はまったくの未経験だという歯医者さんもいるため、歯医者さん選びは注意が必要です。

しっかりとした歯医者さんを選ぶため、前もって歯医者さんのインプラント治療の評価と経験を調べると良いでしょう。

■原因3:かみ合わせの際に過度な力がかかった

インプラント治療をする上で重要なのは、上下の歯のかみ合わせを調整することです。

かみ合わせを計算せずに治療すると、インプラントに過度な力が加わり、パーツの振動によってネジがゆるんでしまい露出してしまうことがあります。ほかにも、過度な負荷がかかることで、天然歯が折れてしまうことや、インプラント自体が破損してしまうこともあるため、かみ合わせの調整は重要なのです。

ネジが露出したときの治療法

■治療法1:インプラントを除去する

インプラントは、顎の骨ときちんと結合していないと、顎の骨や周囲の歯に悪影響を与えてしまいます。ネジが露出したり、揺れや動きが少しでもあったりする場合、悪影響が現れる前にインプラントを除去しなければなりません。

■治療法2:ネジを締め直す

上部構造(義歯のかぶせ物の部分)とインプラント体のネジがゆるんだだけであれば、治療をした歯医者さんに締め直してもらうことで、治すことができます。別の歯医者さんに締め直してもらう場合、インプラントのメーカー名を伝えることで、締め直してもらうことができます。

■治療法3:骨再生をおこなって埋め直す

ネジが露出してしまった場合、インプラントを埋めこんだ箇所の骨が溶けていることがあります。継続してインプラントを利用したい場合、一度インプラントを除去し、失った骨を再生させる手術をおこなったうえで、再度インプラント手術をします。

■治療法4:ブリッジなどほかの治療法に変更する

顎の骨の多くが吸収されて再生が難しい場合、または健康状態に問題がある場合など、インプラント手術が受けられないときは、別の治療法に変更されます。

インプラントの再治療ができない場合、健康な2本の歯の間に人工の歯を入れる「ブリッジ」や、入れ歯による治療へと変更されます。

まとめ

インプラントの治療を一度受ければ、それでもう大丈夫というわけではありません。
埋め込んだインプラントを長持ちさせるには、個人でのケアだけでなく、定期的に歯医者さんに状態をチェックしてもらう必要があります。
歯茎が下がることや腫れること、さらにはネジが露出するなどの問題がみられた場合、速やかに治療を受けましょう。症状の悪化を防ぐだけでなく、インプラントの再治療も受けやすくなります。

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